水曜どうでしょうが遭遇した怪奇・超常現象
カテゴリ:特集記事

このページでは、「水曜どうでしょう」の放送内で起こった怪奇現象・超常現象をご紹介します。
「水曜どうでしょう」での“怪奇現象”と言えば、スピンオフドラマの題材にもなった「四国お遍路の旅」での出来事が最も知られており、このページでも最後にその詳しい経緯をまとめています。
他にもちょっとした心霊要素のあるシーンや、アメリカの“UFO”、ドイツの“ホーンテッドマンション”など少し毛色の違った騒動も紹介していますので、最後まで是非ご覧下さい。
1. 雪中行軍遭難事件が起きた「八甲田山」
[青森県]

番組初期の企画「闘痔の旅」では、青森県の「酸ヶ湯」へ向かう際、深夜に「八甲田山」の道を走行しました。
明治35年、陸軍歩兵199名が死亡したという惨劇「雪中行軍遭難事件」が起きたことで知られる地です。
出来事・現象
- 深い霧の中、真っ暗な道を走行
- 視線を感じる(?)
- 車のライトを消してみる
- 記念碑(像)の場所を過ぎたあたりから急に霧が晴れる
- ブレーキを踏まずに下り坂を走ってみる
これは心霊というよりも、出演者より大きい藤村Dのリアクションが顕著に現れるシーンでした。なお、ヘッドライトを一瞬消して皆で怖がるという件は、後の「ヨーロッパ・リベンジ」でのホテル探しの際にも見られます。
さらに一行はその夜、日本三大霊場の1つである「恐山(温泉)」にも向かいますが、そちらは冬季閉山期間中で入れませんでした。
企画・シーン
-
闘痔の旅
「すごい霧ですね」「この辺を歩いていたわけですねぇ…」「なんかねぇさっきからねぇ…何人かに見られてるような気がするんですよ」「軍服を着た連中に…」
「ちょっとライト消してみようか」「真っ暗だよぉ」「すっげぇこええ」
「あっ」「いきなり霧が晴れた…」「像があった辺りから…」
「こんなとこでなんもね、蒸気で肛門をあてなくてもいいよぉ」
「下りだからスピード出るわ」「やめろよぉ」「やめろぉー」
八甲田山
2. 稲川淳二の怪談と「大成町」のカントリーサイン
[北海道]

夜間に猿払村へ向かうところから再開した2度目の「カントリーサインの旅」では、移動車内の間を埋めるため稲川淳二の怪談テープが用意されました。
季節外れの怪談鑑賞は、実際のところミスター(後部座席)が手を変え品を変え大泉さん(運転手)を驚かせるリアクションショーとなりますが、そうは言っても怪談語りの第一人者・稲川淳二先生。夜の道中、車内は怖ーい雰囲気に包まれていきました。
そして最終日の深夜、実質シリーズ最後の目的地となる道南の「大成町」及び「上ノ国町」に到着します。
出来事・現象
- 車内で稲川淳二の怪談テープを聞いていた
- 大成町、上ノ国町のカントリーサインのイラストも何となく不気味に見えてくる
- 大成町のカントリーサインが逆側(道の右側)に設置されている
- 物音が聞こえる
現象自体はほとんど何も起きておらず、標識の位置も何かしらの単なる道路事情によるものだと思われますが、これまた怖がり屋の藤村Dがしっかりカメラに映ったシーンとなりました。
その後「闘痔の旅」で行ったことがあった野湯「平田内温泉(熊の湯)」に行こうという藤村Dからの無謀な提案もありましたが、向かう道が通行止めとなっており一同ひと安心でした。
企画・シーン
-
北海道212市町村カントリーサインの旅Ⅱ
「いろんなものがだんだんと恐いものに見えてくる」「なんか恐いんだよ…」
「あ、あった」「そしてなにこれ…逆側についてないかい?」「初めてですね」
「鈴井さん二人いるよぉ!」「あんまりふざけないで、ずっと見られてるから」「なに言ってんだよ」
「何の音した?今…」「うわぁぁー」「早くいこうよ!早く!」
3. ドイツで泊まった“ホーンテッドマンション”
[ヨーロッパ]

続いて、初めてのヨーロッパの旅でのちょっと怖い体験。
移動2日目、イギリスを出発した彼らは、初歩的な地名の読み間違いや豪雨などのアクシデントを経て、道に迷いながらもドイツ・アーヘンに辿り着きます。
心なしか街灯も少なく薄暗い街で見つけたとあるパークホテル。(「パークホテル・クエレンホフ・アーヘン」)
入ってみるとそこは、なんとも怖い雰囲気の“ホーンテッドマンション”だったのでした。
出来事・現象
- 廊下の所々にこちらを見つめる不気味な肖像画
- 夜にも関わらずなぜか開いている踊り場の窓
- 壁を叩くような謎の音
- 何かにぶつかられたような感触
- 雰囲気のあるシャンデリア
- ダブルベッドの部屋に案内される
- 224号室がない
- 入る前から部屋の電気がついている
- クローゼットの把手(とって)が抜ける
この件についても総じて大した現象は起きておらず、どれも偶然や何かの拍子という事で片付けられますが、ホテルの雰囲気に乗じて事あるごとにホラー調の演出が加えられました。(※実際は優雅な内装のしっかりとしたホテルです。)
また、ここではダブルベッドの部屋に案内(番組最初のダブルルームシーン)されたり、他にもミスターの重大発言および“合宿”宣言があるなど、怖いという印象以外にも記憶に残る場所となります。
企画・シーン
-
ヨーロッパ21ヵ国完全制覇
「見てるよぉ」「ほらね…これ恐いでしょ」「窓の開き方も…」
「今のドンドンドンなによ?」「知らないよ」
「えっ?ぶつかってないすよ」「ぶつかってないよ」
「ディズニーランドのホーンテッドマンションだよ」「だってこんなシャンデリアあるじゃない」
「ダブルだよ」「ダブルって…」「ウイ・アー・オール・メン」
パークホテル・クエレンホフ・アーヘン
4. 四国との因縁 “始めちゃったんだよ危険なゲームを”
[徳島県]

「水曜どうでしょう」がとうとう四国の“聖域”に足を踏み入れてしまったのは、「絵ハガキの旅」でのことでした。
ミスターが引き当てた四国八十八箇所第一番札所「霊山寺」の絵ハガキ。運命の歯車が回り出します。
出来事・現象
- 第2の選択:徳島県「霊山寺」の風景
- 遍路笠と白衣を買い揃えて撮影
- 一旦四国を出るも、第4の選択:愛媛県「内子の家並」の風景で再び四国へ
- 飛行機は運休日
- “四国との因縁”を再確認、解釈を飛躍させ、企画中(深夜)に八十八ヵ所お遍路を断行
- 4番札所からの“盲点”を突き、およそ3時間でお遍路終了
それ以前から四国との繋がりが深かった「水曜どうでしょう」は、ミスターの“四国って呼ぶね…”という発言をきっかけに四国との“因縁”を意識。この時は短時間で終わらせてしまいますが、後に本格的な「四国お遍路の旅」企画を始め、「四国八十八ヵ所Ⅱ」では怪奇現象を体験することになるのです。
※四国の絵ハガキを引いたのは2枚ともミスター。ミスターがお遍路に参加したのはこの時と「四国八十八ヵ所Ⅲ」の前半のみ。
企画・シーン
-
日本全国絵ハガキの旅
「四国って呼ぶね…」
「八十八個あるんだよお寺…」「行けってことだよ」「俺たちは…始めちゃったんだよ危険なゲームを」
「霊山寺は危険なものやっちゃったなぁ」「一式買っちゃったもん」「2万弱すんだもん」
「ダメだった!」「運行してない…」「試練ていうものは始まってるわけですよ」「楽して来るんじゃないと」
「四国 四国 地獄」「死の国と書いて死国」「みんな笑ってるけど本当は行きたくないんだよね」
「なんでこんな事に…」
霊山寺
2. アメリカ・アーカンソー州でUFO目撃!?
[アメリカ]

趣向は少し異なりますが、アメリカ横断の旅の道中ではある超常現象に遭遇しました。
大泉さんの寝坊、さらには「ホットスプリングス」への寄り道もあって予定が押した横断4日目。
アーカンソー州からテネシー州へと急ぐ一行の前に、不可思議な飛行物体が姿を現します。
出来事・現象
- 空に謎の飛行物体が出現
- 飛行機にしては不自然な動きと速度
- 突然消える
物体は映像にもしっかり収められていますが、後の検証などはなく、その正体は未だ不明のままです。
ちなみにその後、「ヨーロッパ・リベンジ」においてスウェーデンでもUFOらしきものを見つけますが、それはVTRを無理やり盛り上げようとした流れの一環であり、嬉野Dの“あれ気球でしょ”の一言で一蹴されました。
企画・シーン
-
アメリカ合衆国横断
「なんだい…」「あれ何?」「動いてる動いてる…」「ジグザグって!」「早い早い!」「ああ!」「消えた!」
「これは本当にUFOですよね、未確認飛行物体」「撮ったよオレ」
「雲に入ったんじゃないの?飛行機が」「なに言ってんだようれしー」「雲ないだろ…」
「…シカじゃないよね?」
「あとはもう何星のか?っていう話だよ」「葉巻型か?アダムスキー型か?」「キミへんな茶番にするなよ」
6. 四国お遍路の旅でついに遭遇してしまった本気の“怪奇現象”
[香川県]

そして、この特集ページの本題ともいえる「四国お遍路の旅」での怪奇現象。
“水曜どうでしょうの怪奇現象”といえばまずこのことを指し、後の番組休止期間中に製作されたスピンオフドラマ「四国R-14」の元ネタにもなった出来事です。
「四国お遍路の旅」は「試験に出る」企画シリーズの“罰ゲーム”として過去3回に渡り行われたものですが、問題の怪奇現象は2回目の旅「四国八十八ヵ所Ⅱ」でのことでした。
もともと初回のお遍路「四国八十八ヵ所」にて何かしらに取り憑かれていたらしい大泉校長(※ロケ後およそ半年ほど体調が悪く、後にその筋の人物から、当時はすごい数の霊を連れていたと指摘されたことを告白)でしたが、「試験に出るどうでしょう 石川県・富山県」においても生徒の安田さんが最終テストで満点を逃し、再び四国の地に足を踏み入れることになります。
前回より1日多く確保した巡拝スケジュールも早々に破たん。次第に夜間の巡拝を余儀なくされていった大泉校長の身に、ひとつまたひとつとその前兆のような出来事が降りかかっていきました。
そして、79番札所「天皇寺(高照院)」。ついにそれは明確な現象となって現れます。
出来事・現象
- 前回のお遍路でどうやら大泉さんは“ご一行様”に取り憑かれていた
- 四国に到着した初日、大泉さんはお腹の調子が悪く、また徳島空港ではシャツのボタンがとれる
- 初日、夜間に参拝した14番札所「常楽寺」にて何が木を揺らしていた
- 3日目、“もののけ対策”として新調していた数珠を高知県のうどん屋「いろりや」に置き忘れる(2日目、21番札所「太龍寺」で引いたおみくじには“失せ物 出ず 遅ければ無し”とあった)
- 4日目、“近道”として通った狭い山道で車のタイヤがパンク(心霊演出はなかったが不吉な出来事、実際は脱輪が原因)
- 71番札所「弥谷寺」では真っ暗な参道で大泉さんの背中を何かが触り(放送では誰も触っていないとされた)、木陰からは物音
- 75番札所「善通寺」では快便ポーズで寺紹介、“バチが当たる”準備は万端
- 79番札所「天皇寺(高照院)」にてカメラが異音を発して停止、確認すると撮影したはずの映像が記録されていなかった
- 同寺、山門石碑前での撮り直しの際にはバッテリーライトが突然消灯、映像は激しく乱れ、音声はほとんど記録されていなかった
- 暖房設定にしていたはずの車のエアコンから冷気が出るようになる
そしてDVD副音声等では、ディレクター2人よってさらなる真実が語られています。
「天皇寺(高照院)」1回目の撮影の件、当時撮影後にカメラを確認した張本人である嬉野Dは、次の企画「原付西日本制覇」のロケ中、藤村Dに打ち明けたそうです。“あれさぁ、映ってたんだよ”と。
嬉野Dによると映像は実は記録されており、ノイズで激しく乱れる大泉さん(映像)が、まるで毛糸のセーターがほどけていくように画面の下の方から一線一線消えていったとのこと。(※ちなみにドラマ「四国R-14」では足を掴む無数の“手”が映っていたという設定。)
ただ「弥谷寺」での件については藤村Dが“あれは僕触りました”とあっさり告白しています。
ともあれ、この一連の出来事は、“罰ゲーム”などと称し、多少の罰(ばち)が当たってもおかしくないような不真面目な姿勢で四国八十八ヵ所霊場と関わる番組に与えられた、ある種の警告だったのかもしれません。
しかし、蓋を開けてみればこの現象をネタに「水曜どうでしょう」は第一夜から放送を引っぱり、挙句の果てにドラマまで制作してしまうという活用ぶり。そういった存在については他にも、“妖怪” “もののけ” “魑魅魍魎” “肩が重い” “お帰り下さい”等たびたび話題に上げていき、暗い山道を通る際には“応援歌”も生まれます。
結局のところ、“彼らとうまくやってく”と言い放った大泉さんの宣言は、実現されたということになるのではないでしょうか。
今のところは、ですが…
企画・シーン
-
四国八十八ヵ所Ⅱ
(出来事は主に再現VTRにて説明された)
「さっきのは…」「録画(レコード)の赤いランプは光ってたのに僕らが映ってなかったんだね」
「今…これ映ってるね?」「単なる機械の故障ってことで…いいね?」「大丈夫だね?」「いいから早く車出しなさいよ」
「やっぱあるんだねこういう機械のトラブルってのは」「点検はしてるんだけどやっぱあるんだよ」
「…完ペキ憑いたね」「やっぱり何らかの…」「このように現象に現れて…」
「いいねこれもう消すってことで」「寒いから…」「つけるなもうこれは」「僕の周りの皆さんかなり盛り上がってるよ」
天皇寺(高照院)
[関連動画]
まとめ
以上、このページでは「水曜どうでしょう」が遭遇した怪奇・超常現象をご紹介しました。
実際には科学的な説明がついてしまう現象ばかりかもしれませんが、もしかすると、そうでないものもあるかもしれません。どちらにしろ「水曜どうでしょう」という番組では、そういった不思議な現象にある一定の答えを示してくれているように思えます。
番組休止期間中に製作されたスピンオフドラマ「四国R-14」は上述の四国「天皇寺(高照院)」で起こった現象を題材にしたホラー作品ですが、最後には人間と霊との関係性を表す温かいメッセージを残して終わります。
また「四国八十八ヵ所Ⅱ」のDVD副音声で藤村Dでは、“人から聞いた話”としてこのような事も語っています。“人を惹きつける資質というのは、同時にこの世の存在でない者も惹きつけてしまう。それは良い事なんです。大泉さんなんかは、逆に言えばそういうものを約束された人なんですよね。”
仮に怪奇現象というものが実際にあなたの身のまわりで起こったとしても、それらはホラー映画の中のような恐ろしい意味合いばかりではないのかもしれません。
皆さんが、彼らとうまくやっていけることを願っています。
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