エクス・アン・プロヴァンス

Aix-en-Provence

基礎情報

エクス・アン・プロヴァンス(Aix-en-Provence)」は、フランス南東部プロヴァンス地方に位置する古都。「エクス(Aix)」と略して呼ばれることも多い。

画家ポール・セザンヌの出身地としても知られ、現在は学術・芸術都市として観光地にもなっている。

「水曜どうでしょう」では

  • ヨーロッパ走破企画の宿泊予定地として2度訪れており、4人にとっての“鬼門”となる。
  • 【ヨーロッパ1】では“一大決心”となってしまったが、【ヨーロッパ完】では執念が勝った。
エクス・アン・プロヴァンス

「水曜どうでしょう」での登場シーン

ヨーロッパ21ヵ国完全制覇

西ヨーロッパの21ヵ国を完全制覇するべくレンタカーを走らせる。

スイス・サースフェーを出発した移動6日目、大泉さんは不服ながらイタリアをスコンと姑息にかすめサービスエリアでまずい昼食。11ヵ国目モナコ公国を12分で通過し、スペイン、アンドラ公国方面を目指して進む。

フランス・プロヴァンス地方へ入る頃にはもう夜になっていた。

「着かねぇよ」「メシも食わなきゃいけない」「9時までには泊まるところ決めたいかなと」
「毎日毎日練り直しですねぇ」

目標のスペインまでは行けずに名前の優雅な響きに惹かれたどり着くフランス「エクス・アン・プロヴァンス」。しかしそこでは試練の夜が4人を待ち受けていた。

大泉さんが「地球の歩き方・フランス」を丸暗記にて街を紹介。

「名前がいいじゃないですか」
「私が愛するセザンヌが…愛した街」「生まれてここで息を引き取ったという」「アルルのゴッホと同じで…」「いつかダイヤモンド社から訴えられるよ」「バロック様式のね…」「街角には弦楽四重奏の…」「魅力的な街ですよ」

街に着く頃にはもう午後9時半、食事も宿もまだ確保できていない。とっぷり日も暮れていたが、街の息遣いはなんとか残っており、とにかくホテルを探す。

観光案内所での説明はバリバリのフランス語でさっぱりわからず。もらったパンフレットを見ながら、せっかくならいいホテルに泊まろうと車で夜のエクス・アン・プロヴァンスを探索。

「今までとは全くちょっと違う雰囲気の街だね」「きれいな並木道だ」
3つ星4つ星…泊ろうじゃない」
「今日はいいとこ泊まるよ」「明日の活力のために」

見つけた4つ星ホテル「Villa Gallici」、藤村Dが窓から身を乗り出して交渉するインターフォンからは、「NO」 「FULL BOOKS」の声。肩を落とす4人を置き去りに、夜は刻一刻と更けていく。

「でたよ…」「予約でいっぱいだそうですね…」「さぁ…」「もう10時です」「メシは大丈夫?」「ダメじゃないのか?もう…」「えぇー」

午後10時40分、レストランを見つけて入る。

ホテルは見つかっていないが、車内はホテルを探し続けられるような状態ではなかった。不安な面持ちでの夕食。

「宿探しより食うもん食っとくべと」「食わんと死んじゃうから」
「おそらくあのまま探してたら我々大ゲンカ始めてましたね」

次の映像は、2時間後。深夜のエクス・アン・プロヴァンスの寒い道端。本来は優雅な学術・芸術の街で、一行をつらい試練が待っていた。

夕食時とは一転、薄暗がりに覚悟を決めた2人の顔が並ぶ。

「12時半回っております」「一大決心ということで…」
「つらい決断でしたねミスター」「夜と言えば、鈴井貴之でございます」

ミスターが運転し、大泉さんは地図を持ち、決意を胸に車はエクスから暗闇の道へと消えていった。

※水曜どうでしょうDVD第7弾「ヨーロッパ21ヵ国完全制覇」/北海道テレビ放送株式会社 より

ヨーロッパ20ヵ国完全制覇 完結編

9年越しの思いを完結させるべく、21ヵ国を20ヵ国に無理やり書き換え、イタリア・ローマからポルトガルのロカ岬を目指したヨーロッパの旅第3弾。

イタリア・ボローニャを出発して本格的に西へと車を進める移動3日目、前夜の話では、あまりいい思い出のない南フランスは通過してスペインまで行きたいとのことであったが、現実的には難しかった。

目的地となったのは、9年前の苦い記憶が残る南仏「エクス・アン・プロヴァンス」。前回同様、到着は夜となり、もちろん宿も未定。

しかしそこは経験を重ねた“旅のカリスマ”どうでしょう軍団、初めてのヨーロッパだった前回とは違い、慌てることはない。

9年間で学んだ大切な教訓“メシより宿”を胸に、予めガイドブックからホテルの下調べも済ませ、道を懐かしむ余裕も持ち合わせている。

そして4人は、まだ少し明るいうちに2度目のエクス・アン・プロヴァンスに到着した。

「ここ9年前通った!」「華やかだなとにかくおい」
泊まるぞ!今年は

奇しくもその年は、この街で生まれこの街で1906年に死去した偉大な画家ポール・セザンヌの没後100年の節目。しかもその日は金曜日。週末の街は活気に満ち溢れていた。

予定より早めに到着できたこともあり、初めのうちはディレクターを中心にむしろその賑わいに心を躍らせていた。

ところが、事前に見当を付けたホテルから戻ってきた大泉さんの報告を聞き、一行は少しずつ置かれた状況を理解し始める。

「おめぇは何?今日来て…みたいな感じでしたね…」「マジで…?」
「ミラボー通りですか?いっぱいありますもんね?ホテル…」「ただ…笑っちゃったんでしょ?その人」
「9年前より人は多いですよ」「こんな露店なかったでしょ?」

大泉さんは近くにあったもう1軒のホテルにも確認に行くが、1軒目と同様フロントスタッフは半ば呆れ笑いで満室を告げたという。

“9年前の悪夢”が、いやでも頭をよぎった。

「なんかありますねこれ…」「さぁ…首脳陣慌て始めましたよ」
「大泉くん行くよ次…」「今日泊まるよ絶対に!」
「今年2006年ですよね?」

結局、しらみつぶしの宿探し。

祭りの週末、いたるところに“2006”の数字を掲げた街は無情にも4人を弄び、気づけば状況も時間帯も9年前と同様に。

この際エクス・アン・プロヴァンスを去って、「アルル」(ゴッホゆかりの地)に移ろうかという案も浮上するのだが。

「これなんらかの判断いりますよね?」
「食いますか?メシ…」「それは何を意味するんですか?」
「それとも…」「アルル」
「ゴッホは死んで何年でしょうかね?」「…藤村くん…そういう不真面目な態度でいるからねぇ…」

大泉さんはまずはその場でできる“電話作戦”を提案。

藤村Dとミスターが番号の分かるホテル数軒に電話にて空室確認を行った。

「いきなり…TONIGHT!?
「かけますけども…」「これ5軒目ですよ?」
「そんなのをねあなたね気にしてる場合じゃないですよ」「いくらだっておどかしてやればいいんですよそんなの」「オーイエス!トゥナイト

健闘むなしく、問い合わせる藤村Dの口調も次第に早口となった。

一転して街にいる観光客が彼らにとっては羨ましい存在に映り始め、街に到着した当初の自分たちの言動を悔やんでいった。

ミスターはセザンヌ没後100年と知った時から薄々予感はしていたものの、後ろ向きな発言を控えていたという。

ディレクターの頭には、いよいよ9年前に下した判断がよみがえる。

「滑稽ですね」「あっ没後百年ですよ今年!なーんつってね…」
泊まってやるぞぉ今年は!意地でも」「たとえどんな宿でもな!
「空いてる…ていうふうに思ってるんですか?」
「ミスターある程度はもう…」「見切りはつけて腹くくんないとメシも食えないっていうことに…」

この時のどうでしょう班が当時と異なる点は、それでもあきらめずに前進を続ける頼もしい男がいたということ。

最後の望みとばかりに向かった大きなホテルから、男は凛々しい足取りで車へと戻ってくるのだ。

4人部屋なら空いてるぞと」「マジで!?」

最後の決断が喉まで出掛かっていた“首脳陣”にとって耳を疑う報告であった。

大泉さんが有無をいわさず押さえてきた“ファミリールーム”なる4人部屋は、ダブルベッドが2つ並ぶ残念な仕様であったが、なぜか“空きまくり”のこのホテルでは難なく部屋の追加も叶った。

ともあれ一行は“鬼門”エクス・アン・プロヴァンスにて命からがら宿の確保に成功し、9年前とは一味も二味も違うであろうビールで乾杯をした。

2時間後、すっかり陽気になったどうでしょう班は万感の思いで街を歩く。

「泊まれるとなった途端にこの華やかなエクス・アン・プロヴァンスが最高じゃないか」
「ミスター大泉ぃ!」「よかったねぇ」「いい街でしたよぉ」
ミスター鈴井 歌いなさいよ」「これはビビる大木さん」
ミスター大泉!ミスター大泉!」「もっと大きな声でぇ!

大泉さんのモノマネに、ディレクターは胸が苦しくなるほど笑った。

“これは視聴者さすがにひとっつもおもしろくないぞ”と大泉さんは言ったが、決してそんなことはなかった。

「僕たちの…嬉しさってのは…伝わってほしいね」
「やれるね!ミスターまだ!どうでしょうは」
「9年前のあの屈辱ね…」「今日は本当にね大泉くんに学んだよね」「あきらめちゃダメなんだよ」
ネバギブアップ!」「もっと大きな声でぇ!」「ネバギバァップ!ネバギバァーップ!」

※水曜どうでしょうDVD第28弾「ヨーロッパ20ヵ国完全制覇 完結編」/北海道テレビ放送株式会社 より

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